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関節リウマチは、関節の痛みと腫れを主症状とする病気です。男性よりも女性に多く発症し、関節の炎症が続くことで変形を引き起こし、日常生活動作に不便を来すようになります。
関節リウマチの治療の目標は、炎症を抑えて、症状がほぼ消失した状態、すなわち寛解(かんかい)の達成とその維持です。何よりも関節破壊をより早い段階で抑え込むことが重要です。
以前は、関節リウマチを発症してもはじめは痛みと腫れがあるだけで、関節の破壊が進むのは10年位たってからだろうと考えられており、痛み止めと抗リウマチ薬を、時間をかけて段階的に使用していました。しかし近年、関節破壊は発症後2年以内に急速に進行することが明らかとなり、できるだけ早い段階で寛解を目指して積極的に治療を始めることが重要であることが分かってきました。
2003年からは生物学的製剤が関節リウマチ治療に導入され、多くの患者さまで関節破壊の進行を食い止められることがわかってきました。関節リウマチ治療の中心的な薬であるメトトレキサートや生物学的製剤、さらに最近では分子標的薬を使用して関節破壊を抑制すれば、健康な方と同じ日常生活を送ることができます。またこれらのお薬をより安全に使用していただくために、導入前の検査、また使用中のモニタリングがとても重要です。
寛解に向けて治療を行い、その後、寛解をどのように維持していくかを患者さまと共に考えていきたいと思います。